川尻の藩蔵(2棟)

川 尻に残る御蔵は、1680年、江戸時代の藩主 細川綱利により、藩の年貢米倉庫として建てられました。川尻に現存する御蔵二棟は木造平屋建てで約660平方メートルと約200平方メートル。現在の熊本 市や宇土市、益城町から二十万俵の年貢米が集まり、十五万俵は大坂、五万俵は熊本城へ送られました。また、川尻は藩の年貢米だけでなく、国内からの生活物 資や、遠く中国からの陶磁器や絹織物なども入ってきました。御蔵の前には長さ150メートル、13段(現在は14段)の石段を持つ御蔵前船着場や旅籠、船 宿、手渡しなどが栄えていたそうです。

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御蔵前船着場

 

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御倉?

御蔵(お倉)は、律令時代からお米や穀物などを収める倉庫として利用されてきました。ネズミや水の害から収納物を守るために高床式の蔵が用いられました。また、神聖なものとしてあがめられ、神社建築様式の1つである神明造は、この高床式倉庫から発展したとされています。

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蔵?

  土蔵は日本の伝統的な建築様式のひとつで、外壁を土壁として漆喰などで仕上げています。母屋から離して建てることで火災による延焼を防ぐとともに、30cmもの厚い壁による高い防火性を有しています。

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藩?

藩は江戸時代に1万石以上の領土を有する各地の大名によって支配された地域を指します。藩は将軍と江戸幕府の権 威・権力の枠の中にあり、一定の自立した小さな国家(政治・経済・社会のまとまり)のように機能しました。この頃、百姓をはじめ、多くの庶民は藩に“年貢 米”として税を納めていました。

 

藩蔵?

藩蔵は、収められた年貢米を貯蔵し、各地に振り分けて納めるための倉庫です。江戸から明治時代初期にかけて藩政時代の御蔵が残っているのは、全国で四ヶ所、岩手県盛岡市・鳥取県湯梨浜町・熊本県宇土市・熊本市川尻です。

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数多くの史跡が存在し、伝統と歴史の町として知られる熊本市川尻には、日本で4か所にしか存在しない藩政 時代の御蔵二棟が残っています。今、この御蔵の保存と活用が急務となっており、川尻文化を考える会では「御蔵、御蔵前船着き場、御船手渡し」を国指定の文 化財にする活動を行ってきました。

この活動の一環として、全国に現存する御蔵の保存、活用に長年携わってこられた関係者が一堂に会して、それぞれが抱える問題点、御蔵の文化財的価値を検証する「御蔵サミット」を平成22年5月15日・16日に開催いたしました。

盛岡市の御蔵、鳥取県湯梨浜町の藩倉、宇土市の御倉、そして川尻の御蔵の歴史を紐解き、貴重な歴史的財産を次世代に残すための意義深いサミットになりました。

そして、この程 国の文化審議会が熊本市川尻町の「御蔵2棟」「御蔵前船着場」の2ヶ所を「熊本藩川尻米蔵跡」として国の史跡指定にするよう答申いたしました。
このことは、偏に文化財保護にご理解を頂き、本会の活動にご協力を頂いた各位のお陰と関係者一同心から感謝申し上げます。

川尻文化を考える会 会長 西 輝喜

【御蔵サミット実行委員会代表役員】

西輝喜、大川正敏、福山龍太郎、山西大介、重田健蔵、渋谷博司、西橋勇

添島廣陸、吉田武、荒金錬一、宅野雄二朗

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◇御蔵サミット◇

開催日時 平成22年5月16日(日) 午前9時~
内容 第1部 基調講演 北野 隆(熊本大学名誉教授)
第2部 各地の御蔵の現状報告
1)盛岡市の御蔵
2)鳥取県湯梨浜町の御倉
3)熊本市川尻の御蔵
4)宇土市の御倉
第3部 パネルディスカッション
1)今後の御蔵の活用と町興しについて
2)サミット宣言
開催場所 川尻公会堂(熊本市川尻4-8-5)

◇サミット出演者◇

熊本大学名誉教授 工学博士 北野 隆
盛岡市教育委員会歴史文化課文化財主任 花井 正香
鳥取県湯梨浜町教育委員会文化振興係長 秋久 敏彦
鳥取県湯利浜町文化財保護委員 佐々木 靖彦
川尻文化を考える会代表
熊本市南部地域歴史研究会会長
西 輝喜
熊本日日新聞社編集局次長 松下純一郎

◇御蔵サミット募集要項(一般傍聴)◇

費用 500円(資料代として)
定員 70名(先着順)
申込み 5月7日までにハガキ(1枚につき2人まで)にて住所、氏名、年齢、電話番号を書いてお送りください。
〒861-4115
熊本市川尻1-3-58 くまもと工芸会館「川尻文化を考える会」
お電話でのお申し込み場合は096-358-5711までお願いいたします。
※終了いたしました

金太のつぶやき

私たちの暮らしの中で生命を吹き込まれ育まれてきた熊本の伝統工芸品。その伝統工芸品は、時代を超えて芸術性を増し、国境を越えて人々の心に優しさと安らぎを与えています。また、日本の四季が、「創造」と「感性」の豊かさを育み熊本の工芸品に彩りを持たせてきました。海路交通が盛んな時代、海の玄関口であった肥後(熊本)の川尻は、必然的に工芸が生まれる土地柄にあり、その伝統を今日まで継承している町です。川尻のまちづくりの観光スポット「くまもと工芸会館」では伝統工芸普及のために工芸逸品の展示販売と各種工芸教室を開催しています。皆様方の新鮮で創造豊かな感性を「くまもと工芸会館」でぜひ創作してください。